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水道設備におけるエラストマーの活用と利点

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エラストマー
エラストマー(elastomer)とは、弾性のある材料の総称で、特に引張や圧縮に対して優れた柔軟性と復元力を持つ高分子化合物です。エラストマーは、通常、ゴムのような性質を持っており、外的な力が加わっても元の形状に戻ることが特徴です。この特性により、エラストマーはさまざまな工業分野、特に水道関連において広く利用されています。水道システムでは、配管やバルブ、接続部品に使用され、耐久性、密封性、耐候性などが求められます。この記事では、エラストマーの特性、種類、用途、水道関連での使用例、そしてエラストマーの選定におけるポイントについて説明します。

1. エラストマーの基本特性
エラストマーの特徴は、主に次のような特性に集約されます。
・弾性と柔軟性: エラストマーは、変形後に元の形に戻る弾性を持ち圧縮や引張に対して優れた復元力を発揮します。これにより、さまざまな負荷がかかっても元の形状を保つことができ長期間にわたって機能し続けることができます。
・耐候性と耐薬品性: 水道システムでは、エラストマーが外的な環境要因に曝されることが多いため耐候性が重要です。エラストマーは、紫外線や酸素、臭気、熱に対する耐性があり長期間にわたって安定した性能を発揮します。また、化学薬品に対しても強い耐性を示すエラストマーもあり腐食や劣化を防ぎます。
・耐圧縮性: エラストマーは、圧縮力を受けても変形が少なく、長期間圧縮に耐える能力を持っています。これにより密封性を維持し水を防ぐ役割を果たします。
・高い伸び率: 引張試験においてエラストマーは大きな伸びを示す特性があり、これにより複雑な形状を保持する部品に利用されます。
・低摩擦特性: 一部のエラストマーは、低摩擦性を持ち部品が接触する際の摩耗を軽減し部品の寿命を延ばす役割も果たします。
2. エラストマーの種類と特徴
エラストマーには多くの種類がありますが、水道関連で使用される主なエラストマーには以下のようなものがあります。
a. 天然ゴム(NR)
天然ゴムは、天然のゴムの木から採取されるラテックスを原料とするエラストマーです。柔軟性に優れ弾性が高いため水道システムにおいてもよく使用されます。しかし、耐熱性や耐候性には限界があり、長期間の使用には注意が必要です。
b. スチレン・ブタジエンゴム(SBR)
スチレン・ブタジエンゴムは、天然ゴムに近い特性を持ちつつも耐薬品性や耐候性に優れています。水道システムにおいては、配管部品や接続部品のパッキン、ガスケットとして使用されることが多いです。
c. ニトリルゴム(NBR)
ニトリルゴムは、耐油性や耐薬品性に優れており水道システムで使用されることが多いエラストマーのひとつです。特に石油製品や化学薬品を取り扱う環境での使用に適しておりガスケットやパッキン、オーリングなどに多く使用されています。
d. フルオロエラストマー(FKM)
フルオロエラストマーは、耐熱性、耐薬品性に優れ過酷な環境下でも長期間機能します。高温環境や強い酸・アルカリ環境での使用に耐え非常に長い寿命を持つため特殊な水道設備や高圧の配管に使用されることがあります。
e. シリコーンゴム(VMQ)
シリコーンゴムは、耐熱性、耐寒性、電気絶縁性が高く極端な温度変化に強い特性を持っています。水道システムでは、主に高温環境や冷却装置のシール材、ガスケットとして使用されます。シリコーンは医療用にも使われることがあり食品衛生基準を満たす場合もあります。
f. エチレン・プロピレンゴム(EPDM)
エチレン・プロピレンゴムは、特に耐候性、耐紫外線性、耐オゾン性に優れ、屋外の水道配管やガスケット、パッキンとして広く使用されています。温度範囲が広く、厳しい環境下でも優れたパフォーマンスを発揮します。特に水や蒸気、化学薬品にも強いため、水道設備の多くに採用されています。
3. エラストマーの水道関連での用途
エラストマーは、水道システムにおいて非常に多くの用途で使用されています。以下は、エラストマーが使用される主な分野です。
a. 配管の接続部分
エラストマーは、パイプ同士を接続するためのガスケットやパッキン、シール材に使用され接続部分の漏水を防ぎ密閉性を保つことができます。エラストマーの弾性により、配管の膨張や収縮に対応できるため長期間にわたって安定した性能を提供します。
b. ポンプのシール
水道ポンプには、エラストマー製のシールやOリングが使用され、ポンプ内部の水漏れを防ぎます。特に圧力がかかる環境では、エラストマーは耐圧性に優れ長期間の使用に耐えることができます。
c. バルブのガスケット
水道システムにおけるバルブやコックの密封には、エラストマーが使用されることが一般的です。バルブの操作中に水漏れを防ぎ使用環境に合わせた耐薬品性や耐熱性を提供します。
d. 配管の絶縁材
配管に絶縁性が必要な場合、エラストマーは優れた絶縁材として使用されます。特に電気絶縁が必要な場合や高圧配管システムにおいてエラストマーはその柔軟性と耐久性を活かして配管システムを保護します。
e. 水道メーターのガスケットやOリング
水道メーターの内部には、エラストマー製のガスケットやOリングが使用され漏れを防止し水道メーターが正常に動作し正確な水量測定を行うことができます。
f. 水道設備の振動対策
エラストマーは、振動を吸収する特性を持っており水道ポンプや圧力計、配管に設置することで、設備への振動や衝撃を吸収し機器の寿命を延ばします。
4. エラストマー選定のポイント
水道システムにおいてエラストマーを選定する際には、以下のポイントを考慮する必要があります。
a. 使用環境の確認
エラストマーが使用される環境(温度、圧力、化学薬品の種類など)を正確に把握し、適切なエラストマーを選定することが重要です。
b. 耐久性の評価
水道システムは長期間にわたって使用されるため耐久性が求められます。耐紫外線性や耐薬品性、耐圧縮性を考慮した素材を選ぶことが大切です。
c. 価格と性能のバランス
エラストマーにはさまざまな種類があり価格帯も異なります。必要な性能を満たしつつ、コストパフォーマンスを重視することも選定のポイントです。
5. 結論
エラストマーは、水道システムにおいて非常に重要な役割を果たしており、その特性を活かして、密封性、耐薬品性、耐熱性などの要求に応えています。適切なエラストマーの選定と使用により水道システムの効率性や安全性が向上し長期的に安定した運用が可能になります。



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